CData Arc - ArcScript でのPython サポート

by 色川穂高 | September 8, 2025

CData Arc - ArcScript でのPython サポート

こんにちは。CData Software Japan の色川です。

先日リリースされたCData Arc 2025.Q2(25.2)アップデートでは、「B2B 連携をもっとシンプルに」をコンセプトにするArc に相応しく、新コネクタの搭載や主要コネクタの機能強化により「応用的な連携シナリオも、よりシンプルに」構成できるように進化しています。

Arc 25.2 でリリースされた数多くのアップデートの中で「応用的な連携シナリオも、よりシンプルに」実現する機能強化の1つが「ArcScript でのPython サポート」です。この記事では、Arc 25.2 での機能強化により実現した「ArcScript でのPython サポート」についてご紹介します。

CData Arc のArcScript

ArcScript は、CData Arc に標準搭載されているローコードのスクリプトエンジンであり、XML をベースとしたスクリプト言語です。

CData Arc は、ビルディングブロックとして用意された豊富なコネクタをノーコードでフローとして組みあわせることで、複雑性の高いB2B データ連携シナリオもシンプルに実現できるようにデザインされています。実際に利用いただいている多くのシナリオにおいても、このArc のノーコード機能のみでシンプルかつ安定的に日々のB2B 連携を実現いただいています。しかし、個社個別のビジネスロジックや複雑なデータ編集要件などを必要とする一部のエッジケースにおいては、Arc のコネクタ設定で用意された動作以外を細かく制御してフローを構築したいケースも、まれに存在します。このような時に活躍するのがArc のローコード機能であるArcScript です。

Arc に標準でビルトインされているArcScript を利用すれば、自由度の高いファイル編集や変換、外部メッセージフローのトリガー、標準形式に容易にフィットしないカスタムデータのモデル化、外部スクリプトやプロセスの実行などを行うことができます。言語としてのArcScript はXML ベースのスクリプト言語で、データアクセスおよびプロセス処理のあらゆる側面の管理を可能にするハイレベルなプログラミング言語です。

CData Arc - ArcScript でのPython サポート

このようにパワフルな機能を持つArcScript ですが、スクリプト言語としては、その独自の言語構文について一定の習熟が必要な側面もあります。すでに他のスクリプト言語に慣れているユーザーからは「使い慣れた言語でArc のスクリプト処理を記述したい」というニーズをいただくこともありました。

Python

Python は汎用のプログラミング言語で、シンプルで可読性の高い文法を持つことから初心者からプロフェッショナルまで幅広く利用されています。インデントによる構造表現や豊富な標準ライブラリ、さらに世界中のコミュニティが提供する膨大なライブラリにより、Web 開発、データ分析、機械学習、AI、科学技術計算、自動化などさまざまな分野で活用されています。特にデータサイエンスやAI 分野では事実上の標準言語となっており、教育現場でも導入が進んでいます。

CData Arc - ArcScript でのPython サポート

近年、Python はプログラミング言語の人気指標であるTIOBE インデックスにおいて首位を維持しており、2位との差が「TIOBE インデックス史上最大の水準」と報告されるほど圧倒的な存在感を示しています。このことは、学習のしやすさと実用性の高さが世界中で評価されている証拠といえ、今後も主要な開発言語としての地位を強化していくと考えられます。

CData Arc - ArcScript でのPython サポート

ArcScript でのPython サポート

Arc のスクリプト処理を使い慣れた言語で記述したい、というニーズを受け、Arc 25.2 の機能強化で実現したのが「ArcScript でのPython サポート」です。

CData Arc 標準搭載のスクリプトエンジンであるArcScript において、Python 言語によるスクリプト記述がサポートされたことで、すでにPython に慣れているユーザーは、XML ベースの構文を持つArcScript を新たに学習しなくてもArc のローコード機能を活用して、応用的な連携シナリオやエッジケースに対応することができるようになりました。Python 言語によるスクリプト記述は、従来のArcScript と同じく、すべてのコネクタのイベント、専用のScript コネクタ、およびXML Map コネクタのカスタムスクリプトで利用することができます。

CData Arc - ArcScript でのPython サポート

このように、Arc 25.2 からはローコードのスクリプト処理において、XML ベースの言語である「ArcScript」と「Python」の2つのスクリプト言語を活用できるようになりました。従来からArcScript に慣れている方にとっては「ArcScript 構文の"arc:script"キーワードに"language"パラメータが追加された」ことで、キーワードブロック中での「Python スクリプトの記述がサポートされた」と言った方がイメージいただきやすいかも知れません。

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前提条件(必要な環境構成)

それぞれのArc 環境でPython スクリプトの実行を有効にするためには、利用するPython 処理系の事前セットアップが必要です。詳しくはこちらのヘルプトピックが参考にしていただけますが、Windows 環境下で.NET 版のArc を利用している場合を例に、前提条件となる必要な環境構成と手順についてみていきたいと思います。

.NET 版のArc を利用している場合、必要な環境構成はシンプルです。こちらのヘルプトピックにあるとおり、利用するPython 処理系(Python 3)をArc と同じ環境にインストールしたら、インストールしたPython インタプリタの位置をArc に示すために「PYTHONHOME」の環境変数を構成します。

この記事では、執筆時点の最新安定版である3.13 をダウンロードしてインストールしました。

CData Arc - ArcScript でのPython サポート

CData Arc - ArcScript でのPython サポート

この記事では、インストールしたPython インタプリタの位置をArc に示すために「PYTHONHOME」のシステム環境変数として構成しました。

CData Arc - ArcScript でのPython サポート

必要な環境構成を実施してからArc を起動すると、ArcScript でPython スクリプトが実行できました。

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3rd パーティライブラリの利用

ArcScript でPython スクリプトを記述・実行するときには、サードパーティのライブラリも使用することができます。詳しくはこちらのヘルプトピックが参考にしていただけますが、この記事ではNumPy(Numerical Python)の利用を試してみましょう。

Arc から利用するPython 処理系に対して、pip でNumPy をインストールします。

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ArcScript でPython スクリプトを記述するときに、NumPy をimport して利用できました。

CData Arc - ArcScript でのPython サポート

まとめ

この記事では、CData Arc 25.2 の機能強化により実現した「ArcScript でのPython サポート」についてご紹介しました。「ArcScript でのPython サポート」は、Arc のローコード処理であるArcScript の可能性を広げる新たな一歩です。XML ベースの言語である「ArcScript」と「Python」の2つのスクリプト言語が活用できるようになったことで、より多くのユーザーが、それぞれの慣れた方法(言語)を利用して、応用的な連携シナリオなどを実現できるようになりました。

XML ベースの言語としてのArcScript は強力でパワフルなスクリプト言語であり、処理系のセットアップを必要とせず、Script コネクタ等でのスニペットも豊富にサポートされています。スクリプト処理を必要とするビジネスロジックなどの中でも比較的シンプルなケースであればArcScript を活用するのがフィットしそうです。ユーザーがPython 言語に習熟していたり、Arc のフローに統合したい既存のPython スクリプト資産がある場合には「ArcScript でのPython サポート」は大きな効用を発揮するでしょう。

Arc 25.2 で実現した「ArcScript でのPython サポート」により、組織やチームのスキルセット、実現すべきシナリオの複雑性や既存資産の状況等にあわせて、利用するスクリプト言語の選択ができるようになったことで「応用的な連携シナリオも、よりシンプルに」実現できるように大きく進化しています。

CData Arc 25.2 では、他にも多くの機能強化・機能改善が施されています。詳しく知りたい方はリリースノートをあわせてごらんください。数多くのアップデートで、より使いやすくなったCData Arc をぜひ試してみてください。
CData Arc - セキュアなデータ連携とマネージドファイル転送(MFT)

今回リリースされた新たなバージョンに限らず、今ご利用されているバージョンについても、設定や利用方法などご不明な点があれば、お気軽にテクニカルサポートまでお問い合わせください。
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この記事では CData Arc™ 2025 - 25.2.9376.0 を利用しています