CData Arc 2025.Q2 アップデート - 主な新機能

by 色川穂高 | July 17, 2025

CData Arc 2025.Q2 アップデート - 主な新機能

こんにちは。CData Software Japan の色川です。

先日、CData Arc の2025.Q2 アップデートとして新たなビルドの提供を開始しました。

今回のアップデートでは「B2B 連携をもっとシンプルに」をコンセプトにするArc に相応しく、新コネクタの搭載や主要コネクタの機能強化により「応用的な連携シナリオでも、もっとシンプルに」構成できるようになり、統合認証やアクセス制御機構の強化で「エンタープライズシーンで求められる高度な運用環境も、もっとシンプルに」構成できるように進化しています。今回の「2025.Q2 アップデート」は、Arc をこれから新たに利用いただく方はもちろん、従来からArc を利用いただいている方にも嬉しいアップデートが盛りだくさんのリリースになっています。

この記事では、CData Arc 2025.Q2 アップデートの主な新機能についてご紹介します。

応用的な連携シナリオもシンプルに

SaaS / DB / MFT / EDI など、B2B 連携に必要なすべてをつなぐプラットフォームであるArc では、一般的なよくあるデータ連携シナリオはもちろん、基幹系業務を支えるデータソースとの連携や、企業固有のビジネスロジックの実装が必要なシナリオ、個々のSaaS API で定められたAPI 制限への考慮が必要なシナリオなど、高度で応用的な連携シナリオにおいても数多く活用いただいています。また機能豊富な汎用接続のREST コネクタScript コネクタを標準で備えることで、専用コネクタではまだサポートされない新進気鋭のデータソースとも、すぐにデータ連携の自動化を試みられる点もArc の魅力の1つです。今回のアップデートでは、これら「高度で応用的な連携シナリオを支える機能」が大きく強化されたことで、従来より「もっとシンプルに」実現いただけるようになりました。ここでは「応用的な連携シナリオもシンプルに」する主なアップデートを順にご紹介していきます。

IBM i(AS/400)連携用の「DB2 for IBM i コネクタ」の搭載

企業の基幹業務を支える基幹システム群とのデータ連携は、機能・非機能の両面で「応用的で高度な連携シナリオ」の代表格と言えるかも知れません。今回のアップデートでは、ミッドレンジのプラットフォームとして日本でも人気の高いIBM i(AS/400)連携用の「DB2 for IBM i コネクタ」が新しく搭載されました。Arc では従来からCData コネクタや汎用コネクタで必要な接続ドライバー をアドオン導入・構成することでIBM i と連携いただくことができましたが、今回のアップデートで専用コネクタとして搭載されたことで、よりシンプルかつ高機能にIBM i との連携をサポートします。

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一般的な連携フローの中でのIBM i とのSelect やUpsert 連携はもちろん、フローAPI 機構を利用すれば、IBM i のデータを活用するAPI エンドポイントの生成などもシンプルな構成で実現することができます。(なお、25.2 では、API コネクタでのDB2 for i 対応は未サポートです。こちらについては以降のアップデートをぜひご期待ください。)

文字エンコーディング変換用の「Encoding コネクタ」の搭載

日本語などのマルチバイト文字圏でのデータ連携において課題になりがちな1つに文字コードがあります。昨今のモダンな業務アプリケーションやプラットフォームでは、UTF-8 などのUnicode に準拠したエンコーディングが採用されることが多いと思いますが、連携先のプラットフォームやアプリケーション、データフォーマットなどによっては様々なエンコーディングが利用されています。今回のアップデートでは、システム間のデータ連携で発生しがちな文字化けや文字コードの不一致といった課題に対応するため、エンコーディング変換専用の「Encoding コネクタ」が新たに追加されました。このコネクタでは、Shift_JIS、UTF-8、ISO-8859-1 など、さまざまな文字コード間での変換処理を簡単に構成でき、スクリプトや外部ツールを利用することなく、連携フローの一部として自然にエンコーディング変換を組み込むことができます。なお、Arc 25.2 のEncoding コネクタはベータリリースです。

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スクリプトエンジンでのPython サポート

今回のアップデートでArc のスクリプトエンジンでPython がサポートされました。従来からArc には高度なスクリプトエンジンが標準搭載されており、XML ベースのArcScript を利用することで、独自の高度なビジネスロジックを含むデータ連携シナリオでも自由度高く構成することができました。ArcScript はシンプルなXML ベースの文法を持つ、フルセットのパワフルなスクリプト言語ですが、Arc 独自構文の習熟に一定の期間を必要とする側面もありました。

プログラミング言語の中でも圧倒的な人気を誇るPython がサポートされたことで、これまで Arc 独自構文に慣れる必要があった場面でも、既存のスキルやPython の豊富な標準ライブラリを活かして、よりシンプルなプロセスや手法で実現いただけるようになっています。

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なお、Python を利用する場合、最初にPython 環境の導入と連携構成が必要です。ArcScript はこれからも変わらず標準組込みで提供されるArc 標準のスクリプト言語です。

Salesforce コネクタ(よりシンプルな一括Upsert 設定)

Arc が提供する「Upsert アクション」はレコード単位に指定したkey で既にデータが存在していれば更新(Update)なければ追加(Insert)の処理を、Arc のコネクタの中で自動的に検索・判断・実行してくれる利便性の高い機能ですが、Salesforce のようにUpsert API が用意されているSaaS においては、実行パフォーマンスやAPI コール数の制限などの観点から、Upsert API を利用した一括Upsert のシナリオを実現したいケースもあります。

Arc のSalesforce コネクタでは、従来からCData Salesforce Driver が提供するUpsert 構文をコードモードで指定することで、Salesforce Upsert API を利用した一括Upsert のシナリオを実現できていましたが、今回のアップデートでコードモードでの複雑なSQL 記述が不要となり、デザインモードでの「よりシンプルな設定」で利用できるようになりました。

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なお「Upsert アクション」でのデフォルトの振舞いは、従来と変わらず「レコード単位でのSelect - Insert or Update の振舞い」です。一括Upsert を構成する場合は「enablebulkupsert プロパティを有効化」して構成します。このアップデートについては、また別の記事で詳しくご紹介する予定です。ご期待ください。

kintone コネクタ(よりシンプルな一括Upsert 設定)

Salesforce と同じく、kintone API でも近年API 側でのUpsert(UPSERT モード)がサポートされました。Arc のkintone コネクタでは、CData kintone Driver が提供するUpsert 構文をコードモードで指定することで、kintone API のUPSERT モードを利用した一括Upsert のシナリオを実現できていましたが、今回のアップデートでコードモードでの複雑なSQL 記述が不要となり、デザインモードでの「よりシンプルな設定」で利用できるようになりました。

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なおkintone コネクタにおいても「Upsert アクション」でのデフォルトの振舞いは、従来と変わらず「レコード単位でのSelect - Insert or Update の振舞い」です。一括Upsert を構成する場合は「enablebulkupsert プロパティを有効化」して構成します。このアップデートについては、また別の記事で詳しくご紹介する予定です。ご期待ください。

再設計されたREST コネクタ

Arc のREST コネクタは従来から豊富な機能性で数多くの連携シナリオで活用いただいていたコネクタです。今回のアップデートではこのREST コネクタが再設計され、より視覚的で扱いやすい構成にアップデートされました。新しくなったREST コネクタでは専用のパネルで認証設定がよりシンプルに。またSwagger 定義のインポート機能が搭載され、API 仕様に基づいた設定の自動構成がサポートされました。さらにAPI リクエストのテスト実行もコネクタのUI 上から行えるようになり、API 連携の設定から検証・運用までシームレスにサポートします。再設計されたREST コネクタにより、複雑なREST API との連携も、より直感的かつシンプルに実現できるようになりました。

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再設計されたScript コネクタ

Arc のScript コネクタは、Arc でのスクリプティング処理の中核とも言えるコネクタです。今回のアップデートではこのScript コネクタが再設計され、より視覚的で扱いやすい構成にアップデートされました。

Script コネクタにおいてArcScript 以外にPython がサポートされているのはもちろん、スクリプト設定の支援機能が拡充されました。特にテスト実行や結果の確認をScript コネクタのUI 上で行えるようになったことで、スクリプト開発と検証のサイクルが高速化し、デバッグ作業の手間を大幅に削減できます。これらのアップデートにより、より高度で柔軟なデータフロー設計をシンプルなプロセスで可能になりました。

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再設計されたForm コネクタ

Arc のForm コネクタは、任意のWeb フォームを生成・公開できるコネクタで、ユーザーからの入力受付やデータ送信など「Web フォームへの入力を起点としたい連携フロー」をノーコードで構築できる、従来から人気の高いコネクタです。今回のアップデートではこのForm コネクタが再設計され、より視覚的で扱いやすい構成にアップデートされました。新しくなったForm デザイナでは、ドラッグ&ドロップでのフォームの構築はもちろん、フォームのロゴやメッセージもよりシンプルなオペレーションで、より高度に構成いただけるように進化しています。

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EDI メタデータのハンドリング機能を強化

Arc のEDI 関連機能では、AS2 やSFTP、OFTP2 などの通信プロトコルと、X12 やEDIFACT、EANCOM などのドキュメント規格といったグローバル標準なEDI 連携をサポートしています。日本におけるEDI は歴史柄、国内固有の通信プロトコルやドキュメント規格が利用されているケースがまだまだ多いかと思いますが、海外拠点や取引先とのEDI を中心に、Arc のEDI 機能を活用いただくシーンも年々増えてきました。

今回のアップデートでは、外部とのEDI でのデータ授受を扱う連携フローにおける「EDI メタデータのハンドリング機能」が大きく強化されています。例えば、Branch コネクタでは新たにEDI メタデータを条件構成にできる機能強化が実施されています。またEDI コネクタでは新たに授受したファイルのEDI メタデータをメッセージヘッダーに昇格する機能が搭載されていますので、外部とのEDI でのデータ授受を扱う連携フローにおいて複雑なルーティングをよりシンプルに構成できるようになっています。

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高度な運用構成もシンプルに

豊富なホスティングオプションと柔軟なライセンスオプションを備えるArc は「単一業務や単一取引先との連携自動化」から「全社業務やミッションクリティカルな連携自動化」まで多くのシーンで幅広く活用いただいています。特に数多くのユーザーが共同でArc を利用するエンタープライズなシーンでは統合認証やアクセス制御などArc の高度な機能を活用いただくケースが多いですが、今回のアップデートではそれらの機能も大きく強化されています。ここでは「高度な運用構成もシンプルに」する主なアップデートを順にご紹介していきます。

SSO 認証でのSAML 2.0 統合のサポート

数多くのユーザーが共同でArc を利用するシーンで活用いただくことが多い機能の1つがシングルサインオン(SSO)です。Arc では従来から、LDAP やOpenID ベースでのSSO をサポートしていましたが、今回のアップデートでSAML 2.0 を使ったシングルサインオン(SSO)が新たにサポートされました。エンタープライズ向けSSO の定番とも言えるSAML 2.0 がサポートされたことで、多人数が共同利用するエンタープライズ環境でも、アカウント管理とセキュリティ運用の負荷を抑えつつ、システム全体の整合性をよりシンプルに維持できます。

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RBAC(ロールベースのアクセス制御)機能の強化

数多くのユーザーやチームが共同でArc を利用するシーンで活用いただくことが多いもう1つの機能がRBAC(ロールベースのアクセス制御)機能です。今回のアップデートでは、RBAC 機能における証明書に関する権限管理やポリシーが大きく強化されました。ロールベースでの操作権限を従来よりきめ細かく定義できるようになったことで、業務分担や外部委託時のアクセス制御がより適切に設計できるようになっています。

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その他のポイント

今回のアップデートでは、その他にもグローバル市場で活用いただける新コネクタや、前回のアップデートでベータリリースされたコネクタの正式化なども含まれています。またデータソース側でのAPI Update によりデフォルトの振舞いが変更されたコネクタもありますので、ここではそれらについてご紹介していきます。

新しく搭載されたPeppol コネクタ

今回のアップデートで、新しくPeppol コネクタが搭載されました。Arc の Peppol コネクタは、Peppol(Pan-European Public Procurement Online)ネットワーク上で電子請求書やその他のビジネスドキュメントを安全に、かつ自動的に連携することをサポートするコネクタです。欧州市場で事業を展開している企業や組織において電子調達や請求義務でのPeppol 対応を検討されている場合はぜひお試しください。Arc 25.2 のPeppol コネクタはPEPPOL アクセスポイントとしての機能をサポートします。なお、Arc 25.2 のPeppol コネクタはベータリリースです。

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XML Group / ZUGFeRD / Label コネクタの製品版リリース

前回のアップデートで新たなベータコネクタとして搭載された「XML Group コネクタ」「ZUGFeRD コネクタ」「Label コネクタ」が製品版としてリリースされました。特に「XML Group コネクタ」は上手く活用すると複雑なシナリオをシンプルに構成できるコネクタです。XML Group コネクタについては、については、また別の記事で詳しくご紹介する予定です。ご期待ください。

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Shopify コネクタ(GraphQL のデフォルト化)

こちらについては「従来からShopfy 連携でArc を活用いただいている方向け」のご案内です。Shopify との連携を自動化できるArc のShopify コネクタは従来から人気の高いコネクタの1つですが、今回のアップデートでは、Shopify 側で非推奨化された従来のREST API に変えて、デフォルトの構成でGraphQL API を使用するようになりました。従来からShopify コネクタを利用いただいているお客様は、Shopify がREST API を正式に廃止する前に、既存のコネクタ設定をGraphQL に移行してください。

CData Arc 2025.Q2 アップデート - 主な新機能

まとめ

この記事では、CData Arc 2025.Q2 アップデートの主な新機能についてご紹介しました。

今回の2025.Q2 アップデートでは「B2B 連携をもっとシンプルに」を目指すCData Arc に相応しく「応用的な連携シナリオもシンプルに」構成するための数多くの機能拡張とともに、「エンタープライズシーンで求められる高度な運用設定もシンプルに」構成するための様々な機能強化が実施されています。今回のアップデートは、Arc をこれから新たに利用いただく方はもちろん、従来からArc を利用いただいている方にも嬉しいアップデートが盛りだくさんのリリースになっています。この記事で取り上げた新機能以外にも多くの機能強化・機能改善が施されています。詳しく知りたい方はリリースノートをあわせてごらんください。

新たなリリースで、より使いやすくなったCData Arc をぜひ試してみてください。

今回リリースされた新たなバージョンに限らず、今ご利用されているバージョンについても、設定や利用方法などご不明な点があれば、テクニカルサポートへお気軽にお問い合わせください。

CData Software Japan - Support Form


この記事では CData Arc™ 2024 - 25.2.9314.0 を利用しています。